節目の株価に出来やすい厚い壁を回避する板情報の使い方

板情報を眺めていると
株価100円や500円など
区切りのいい数字のところに
大量の注文があるのを見かけませんか?
以前に
板情報を見るときは
大量の注文があるように見せかける
ダマし注文の見せ版に注意しましょう。
そして
これ以上に株価を
上げたくない・下げたくないところで
大量の注文を入れて値動きを止めることを
“蓋をする”という言い方をします。
とご紹介させていただきました。
節目となる100円や500円など
区切りのいい株価で
大量に入っている注文は
見せ版のような架空の注文ではなく
どちらかというと蓋をするための注文に
近いものなのですが
意図的にというよりは心理的な要因で
自然と注文が集まりやすくなっているんですね。
そこで
その心理を知っておくことで
注文を約定させやすく出来ます。
板情報はデイトレーダーが
ザラ場中に株価を確認するものと
日中のトレードの出来ない
社会人投資家の方にとっては
あまり関係のない話に思うかもしれませんが
短期投資のスイングトレードなどにも
非常に有効な考え方ですので
板情報を確認しながら
注文を頻繁に入れ替えられる
デイトレーダーの人よりも
むしろ
1日1回しか指値注文の出せない
投資家の方に見ていただきたい内容です。
それでは
節目の株価に出来やすい
厚い壁を回避する板情報の使い方について
ご紹介させていただきます。
節目の株価に厚い壁が出来やすい理由
まずは
節目の株価になぜ厚い壁が出来やすいのか
その理由についてお話させていただきます。
ここで言う“節目の株価”とは
先ほど例に出したように
100円、500円の他にも150円など
100円単位、50円単位、10円単位と
株価の大きさによってまちまちになりますが
区切りのいい数字の株価のことです。
本日の終値が153.2円の銘柄があり
今年に入ってのチャートがこちらです。
[出典:松井証券ネットストック・ハイスピード]
そろそろ下げ止まるのではと
買おうとする思惑があった場合に
“いくらで注文を出しますか?”
前回の底値の株価は149円です。
そうなってくると
区切りのいい150円で
買い注文を入れたくなりませんか?
先ほどの銘柄はみずほFGで
株価は小数点単位まで
数字は適当ですが
“とりあえず151.7円で注文を出そう”と
半端な数字での注文にはしないのかな
と思うわけですね。
ここで一度
ご自身の注文履歴を確認してみて
いただきたいのですが
どうでしょうか?
無意識にも区切りのいい数字で
注文を出しやすい傾向にないですか?
特に100円や200円、1,000円など
すごく区切りのいい数字だったとしたら
余計にその傾向が強くなることと思います。
そして
節目の金額に注文が集まりやすく
厚い壁が出来やすいことを知っている人は
狙ってその値段に注文を重ねることで
蓋をすることも考えています。
つまり
節目となる株価は
投資家の心理で自然に
注文が集まりやすいポイントであり
そこを狙って蓋をしたい投資家が
追加に注文を被せてきますので
厚い壁となりやすいわけです。
厚い壁を回避する板情報の使い方
“節目の株価に注文をすることが多い”
この心理が働くことを知りましたので
それを今度は有効に使っていきましょう。
先ほどに引き続き
みずほFGを例にしていきます。
[出典:松井証券]
こちらは
本日大引け時の板情報です。
節目の株価153.0円のところに
大量注文による厚い壁が
出来ていますね。
明日になれば
また状況は変化してきますが
ここでひとつ考えられることは
153.0円の厚い壁は超えれずに
跳ね返されて上昇に転じることです。
このような板を確認したら
少し下の株価152.9円や152.8円では
買いにくいと考えることができます。
なので
厚い壁を回避して買うためには
少し上の株価153.1円や153.2円で
指値注文を入れておけばいいですね。
また
152.2円より下の株価は
板情報に載ってきていませんが
150.0円くらいまでは
1円単位の節目が機能して
152.0円、151.0円にそれぞれ
厚い壁が出来やすいのではと思います。
同様にですね
厚い板に阻まれて
買いそびれたくなければ
152.1円、151.1円に指値で
注文を入れておくといいでしょう。
以上
節目の株価に出来やすい
厚い壁を回避する板情報の使い方を
ご紹介させていただきました。
買いの例でご紹介しましたが
実は売りで決済するときにこそ
真価を発揮します。
買いの注文は
指値が刺さらずに反転しても
最悪問題はありませんが
売って決済するつもりだったのに
その手前で反転してしまうのは
避けたいところですよね。
もし
そこが天井となり
ナイアガラでマイテンなどしたら
ショックどころでは済まないでしょう。
なので
売りで決済するときにこそ
なるべく節目の株価の少し前で
指値注文を入れておくといいでしょう。
500円付近で売ろうと思っていたなら
498円や499円などですね。
空売りで
売りから入っている場合は
逆で先ほどの買いの例と一緒ですね。
節目となる株価には
厚い壁が出来やすいということ
覚えておいていただけると
役立つかと思います。